クレステッドゲッコー含む一部の爬虫類は生まれる前から雌雄が決まる性質があり、
その性質を利用し、雌雄の産み分けが可能になります。
クレステッドゲッコーの雌雄決定が、どういった性質で、
卵をどう管理すれば産み分けれるのかを
説明していきます。
クレステッドゲッコーの卵の管理温度について。生まれる前から雌雄が決まる!?(TSD)
私たち哺乳類はX染色体とY染色体の組み合わせにより、
性別の決定が行われます。
これは「遺伝性決定」、もしくは「染色体性決定」と呼ばれる性決定型となります。
しかし、ワニや亀と一部のトカゲは、
卵の置かれている環境(温度)により性別が決定する生物がいます。
これを「温度依存型性決定」(Temperature-dependent Sex-Determination)と呼びます。
クレステッドゲッコーもそんな動物の一種なのです。
クレステッドゲッコーにフォーカスを当てて、
雌雄の産み分けについて見ていきましょう。
温度依存型性決定(TSD)とは
温度依存型性決定(Temperature-dependent Sex-Determination)。。。
まず見ない言葉ですね。
なぜこのような性決定になったかというと、
温度に敏感な爬虫類は、産卵時期の気温に合わせ、
生存率が高い性別で産まれるためだと考えられています。
ペットショップで見る「TSD」とは
ペットショップやイベントで売られているクレステッドゲッコー等に、
「TSD=♀」や「TSD=♂」と書かれているのを、
見たことはあるでしょうか。
何を指しているかというと、
Temperature-dependent Sex-Determination = ♀
つまり、卵の管理温度の設定が、
メスとして生まれてくる温度で管理をしていたことを指します。
温度依存型性決定を利用して、
あらかじめ性別が決まっていますよということを示しているのです。
TSDの産み分け温度について
実際に、クレステッドゲッコーの卵の産み分けグラフを見て、
雌雄を産み分けるのに、何度で卵を管理すればいいか、
見ていきましょう。
グラフから読み取ると、
メスが産まれるようにしたいなら、
昼間の温度を22℃~26℃で卵を管理し、
夜間の温度を昼間より-2℃~-3℃で管理をすると、
メスの割合が多く産まれます。
オスが産まれるようにしたいなら、
28℃~で卵を管理すると、
ほぼ100%でオスが産まれます。
しかし、孵化日数自体が短くなってしまうため、
無事に産まれてこない可能性があがってしまうため、
26℃か27℃での管理をお勧めします。
22℃未満と29℃より高いと、
卵が発生しなくなる確率が上がってしまいます。
管理温度が低すぎると、卵は発生しなくなってしまいますし、
管理温度が高く、孵化が早いと、
胚が体内に収まりきる前に出てきてしまい、
お腹から袋が出ているような形で孵化してしまいます。
この袋(胚)を引っかけてケガをしてしまったりする恐れがあるので、
孵化までの日数は短すぎない(気温を高くしすぎない)ことをお勧めします。
まとめ
ここまでクレステッドゲッコーの産み分け方の
温度依存型性決定について説明してきました。
クレステッドゲッコーはメスのTSD管理が難しいため、
市場に出回るメスが少ないことがうかがえます。
また、管理温度が高いほうが孵化も早まるので、
ブリーダー側からすると回転の速いオスを孵化させる傾向にあります。
当の本人は最後まで性別を楽しみにしたいので、
雄雌の割合が50%になる25℃~26℃で管理をしていますww
それもまた楽しみ方の一つですね♪
最後まで見ていただき、ありがとうございました。
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