クレステッドゲッコーがなりやすい病気とその対策

クレステッドゲッコーは爬虫類の中でも人気なペットです。
全体的にモチモチしていて、
とても魅力的なヤモリです。

比較的に飼いやすい種類ですが、
病気にならないわけではないので、
以下の病気にならないためにも、
しっかりと対策しましょう。

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クレステッドゲッコーがなりやすい病気とその対策

クレステッドゲッコーは比較的温暖な熱帯気候の地域のヤモリです。
脱皮の皮が薄く、乾燥させると脱皮不全になってしまうことが多いので、
飼育下では24℃~27℃の多湿環境で飼育します。

ここではクレステッドゲッコーが
なりやすい病気とその対策法を集めましたので、
紹介しています。

1. クル病(代謝性骨疾患)

クル病はクレステッドゲッコーのみならず、
爬虫類全般で気を付けなければならない病気です。

爬虫類の血液中はカルシウム濃度が一定に保たれています。
カルシウムを吸収するのにビタミンD3が必要なのですが、
ビタミンD3が少なくなって血液中のカルシウム濃度が下がると、
骨に蓄えられているカルシウムを血液中に放出し、
血液中のカルシウム濃度を保っています。

カルシウムの放出が続いてしまうとクレステッドゲッコーの骨が変形したり、
スカスカになってしまって骨折しやすくなってしまいます。
症状が悪化すると人間でいう骨粗しょう症のように
少しの動きや衝撃で骨が折れてしまったりすることがあるので、
クレステッドゲッコーを飼育する場合は、
カルシウムとビタミンD3が不足しないように気をつけましょう。

☆対策
「ビタミンD3とカルシウムが不足しなければクル病にならないのではないか。」
その通りです。

ではどのようにしてビタミンD3とカルシウムを補うかですが、
フトアゴヒゲトカゲのような昼行性のトカゲ等はは太陽の光を浴び、
紫外線を受けることによって体内でビタミンD3を生成します。

そのため、飼育下においてはUVB(紫外線)ライトを照射することで、
太陽の代わりとさせています。
他にもビタミンD3が入ったカルシウムパウダーを
エサにまぶして口から摂取させて補います。

一方、クレスなどの夜行性のヤモリは
あまり紫外線を必要としないので、
ビタミンD3が入ったカルシウムパウダーを
エサにかけて(ダスティングして)一緒に食べさせることで摂取させます。

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2. 消化不良(吐き戻し)・下痢

消化不良や下痢の原因はいくつかあります。

  • お腹が冷えている
  • 接種水分量が多い
  • エサが大きすぎる
  • 環境変化などにおけるストレス

消化不良の一番の原因はお腹が温まりきらず、
代謝が下がった状態になり、
食べたものが消化されずに出てきてしまうことです。

エサが大きすぎても消化されずに出てきますし、
冷たいものを食べてもお腹を冷やしてしまい、
消化不良や下痢を起こします。

☆対策
その子に合ったサイズのエサを与え、
冷蔵庫で保管しているコオロギ等を与える場合は、
常温まで戻してから与えます。

気温が低い場合も消化不良を起こすので、
25℃~27℃程に調整し対策しましょう。

温度やエサが原因でなさそうならば、
腸の調子を整えてくれる「レプラーゼ」も良いとされています。
詳細はこちらにまとめてあります。

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3. 脱水症状

脱水症状の原因はもちろん水分不足です。

口の中がかわいている、
ベロが白みがかっている、
脱水気味だと便秘になりやすくなります。
うんちの頻度や硬さを確認し、
脱水症状になっていないかよく見てあげましょう。

ベビーは特に脱水症状になりやすいので、
以下の対策でしっかり防いでください。

☆対策
〇水入れを設置する
ウェットシェルターを使用する場合は、
ウェットシェルターの水を切らさないようにし、
シェルターに水受けがない場合は
別で水入れを用意し、水を切らさないようにします。

〇直接水を与える
ケージの壁に水滴がつくように霧吹きをします。
のどが渇いていればぺろぺろ舐めます。
クレスの場合は朝晩の一日2回霧吹きをします。

〇食べ物から摂取させる
活餌だと水分を含んでいるので、
食べることにより水分を摂取させます。
レパシーやパンゲアも水で溶かしているので、
水分を含んでいます。

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4. 脱皮不全

脱皮不全とは、脱皮した皮がうまくはがれずに体表に残ってしまい、
脱皮が不完全な状態を表します。

この状態が背中などで続くと皮膚が黒く変色したり
ケガや病気を引き起こす可能性が高くなります。

また、足の裏が脱皮できないと、
つるつる滑ってしまい、壁を上ることができなくなります。
足の裏は確認しにくいので、
壁を上りにくそうにしていたら、
脱皮不全のサインかもしれません。

指の先やシッポの先で脱皮不全が起こると、
先端が壊死してしまい、指飛びが発生します。

脱皮が始まるとクレスが緊張状態になり、
エサを食べなくなることもあります。
脱皮が理由で食べないのであれば、
脱皮後には食べれるようになります。

☆対策
脱皮が始まったらケージ内の湿度をいつもより高めに保ちます。
霧吹きなどで直接皮膚を湿らせても効果的です。

指先やシッポの先は皮が残りやすいので、
温浴をさせて皮をふやかしてあげると取りやすいです。

論文でも紹介されていますが、
脱皮にはビタミンAを補うと良いとされています。

ビタミンAを直接摂取するより、
ベータカロチン(ベータカロテン)を摂取すると
腸までビタミンAが多く届くとされています。

ベータカロテン入りのパウダーを与えるか、
ニンジンをすりおろしてジュースを作って飲ませるのも有効です。
脱皮が苦手な子であれば、試してみてください。

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5. 腸閉塞

腸閉塞は、異物を摂取するなどで腸内に炎症が起こり、
腸が腫れて狭くなり、老廃物が詰まってしまう状態です。

現れる症状としては、拒食、嘔吐、便秘や下痢が発生します。

原因としては、床材などの異物を飲み込んで腸を傷つけてしまう。
もしくは、飲み込んだ異物そのものがつまりの原因となってしまう。
腸内に腫瘍ができた、もしくは炎症が起こっている。
上記の事象などが挙げられます。

☆対策
エサで与えるコオロギの後ろ足が刺さってしまったり、
ジャイアントミルワームが腸内を噛んでしまったりすることが原因で、
炎症が起こることがあります。
コオロギは後ろ足を取って与える、
ミルワームは頭をつぶしてから与えると、
こういった事象は防げます。

異物の誤飲による腸閉塞はベビーの時期が多いです。
ある程度大きくなってしまえば糞として出るのですが、
ベビーのころは床材をキッチンペーパーか犬用のペットシーツを使ってあげましょう。

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6. ヤケド・ケガ

ケージ内の環境が原因で発症することが多く、
保温球でヤケドをしてしまったり、
高いところから落ちて骨折してしまったりします。

☆対策
保温球を設置する場合は、
クレスが届かないよう、
可能であればケージの外に設置し、
近寄れないようにレイアウトします。

コルクなどの設備はクレスが乗ったりしても
動かないように設置します。

部屋んぽをさせる場合も、
できるだけ低いところでの散歩をお勧めします。

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7. 拒食症

拒食症になる原因は様々で、
ウイルス、環境面、脱皮による緊張などが主な原因です。

ウイルスに関しては、後に紹介する、
クリプトスポリジウムなどの感染症があります。
エサを全く食べなくなり、やせ細ってしまい、
最悪の場合、死に至ります。

環境の場合、その子に合っていない要因を見つけなければなりません。
温度、湿度、エサの種類、紫外線 etc…

温度は低すぎても高すぎてもストレスを与えてしまうため、
ケージ内部にクーリングスポット(20℃程)と
ホットスポット(25℃~27℃)を用意してあげて、
クレスが自分で体温調整をできるようにしましょう。

湿度が原因の場合は、湿度の低すぎ、高すぎかもしれません。
普段低めなら高めに、高めなら低めに設定すると、
解消するかもしれません。

エサの種類は一匹一匹好みが違うので、
色々試してみる必要があります。

例えば、イエコオロギを食べるが、
フタホシコオロギとクロコオロギは食べないとか。
フルーツ寄りの人工飼料は食べるが、
昆虫寄りの人工飼料は食べないとか、です。

☆対策
拒食に関しては原因がウイルスと脱皮でなければ、
環境が合っていないことが主な原因と考えられます。
よく観察し、その子にあった環境に整えましょう。

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8. フロッピーテール

フロッピーテールは主にクレスが頭を下にした状態で長時間過ごすことが多いことが原因で、
しっぽが背中側に沿ったり折れ曲がったような状態になることを言います。
しっぽが変な形で癖がついてしまい、
見た目が少しイビツなしっぽになってしまいます。

健康上の被害はないので、
病気と言うのも微妙ですが、
ペットショップなどでは値下げ対象となることがあります。

先頭の写真の子はうちの子ですが、
しっぽの先端だけ曲がっていて売れ残っている子でした。

☆対策
クレスの飼育環境は縦長の環境で飼育している方が多いと思います。
そこにコルクなどを斜めに立てかけるように置いていると、
頭が下、しっぽが上の状態で休むシチュエーションができてしまいます。

縦長の環境でいいのですが、
クレス棒やポリエチレンの棒をホームセンターなどで買って、
ケージのサイズに合わせてカットしたものを用いて、
地面と水平に休めるレイアウトを心がけましょう。

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9. クリプトスポリジウム

クリプトスポリジウムの菌自体は、
家庭で飼われているトカゲやヤモリの約66%が、
所有しているという調査結果が出ていて、
多くの個体が発症していない状態で、
所有しています。

クリプトスポリジウムの発症条件は、
免疫力の低下によるもので、
飼育下の温度が低下すると免疫機能が低下し、
クリプトスポリジウムを発症してしまいます。

爬虫類が発症した際の症状としては、
・食欲があるにもかかわらず体重が減る
・下痢が出る
・拒食になる
・突然死
等があります。

クリプトスポリジウムは消化器官をもつ生物に感染するため、
人間にも感染します。
人間に感染した場合は、痙攣、下痢、筋力低下、拒食、吐き戻しを発症し、
人間でも死亡例がある感染症です。

爬虫類に発症すると致死率が高く、
死骸からも感染するので、
死亡した際は必ず火葬する必要があります。

☆対策
一番の対策は、爬虫類の免疫を下げない。
そのためには、温度が低くなりすぎないように注意し、
バランスのいい食事を与えることです。

多頭飼いをしている方は、食事を与えるときに、
同じピンセットを使いまわしてエサをあげないこと。
不要に生物同士を接触させないこと
等があげられます。

クリプトスポリジウムを殺菌するためには、
71.1℃以上で15秒間の熱を与えて死滅させます。
塩素消毒では死滅しないので、
熱消毒で殺菌を行います。

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10.ダニ

クレスは温暖・多湿の環境を好みます。
この環境は「ダニ」も好む環境です。
床材でパーム土等の有機物を使用していると、
簡単に増えてしまうことがあります。

ダニが生体に寄生してしまうと、
皮膚をかまれたり、吸血されたりしてしまい、
衰弱することがあります。

☆対策
こまめな清掃と、
ダニ除け効果のある爬虫類用のアルコールスプレーを用いることをお勧めします。
また、床材には有機物ではなく、デザートソイルのように無機質なものを使用しましょう。


それでもダニが発生してしまった場合は、
生体を別のケージに移し、
元のケージを熱湯やアルコールを使用して殺菌します。
こまめな清掃を繰り返し、
徐々に取り除いていきます。

使用するアルコールも、ダニ除けではなく、
殺虫能力の高いフロントラインをお勧めします。
使用方法はボールパイソンを例にしていますが、
こちらを見てみてください。

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まとめ

ここまででクレスにおきやすい病気を
まとめてきました。

主な原因として、
その子に合った飼育環境でないことによって、
病気になってしまうことが多いです。

観察して、様子を見ることが何よりも大切です。
成長を楽しみながら、
清潔でのびのびと生活できる環境を整えてあげましょう。

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