フトアゴヒゲトカゲは性格が温厚な子が多く、
ベビーのときは成長が早いので、
育てていく面でもとても魅力的なトカゲです。
成長に合わせて環境も変えていかないと、
病気の原因になりかねません💦
以下の病気にならないためにも、
しっかりと対策しましょう👍
フトアゴヒゲトカゲがなりやすい病気10選とその対策
日本でも飼育歴が長く、情報も多いので、
ここではフトアゴヒゲトカゲがなりやすい病気と
その対策法を10選しましたので紹介しています。
1. クル病(代謝性骨疾患)
クル病はフトアゴヒゲトカゲのみならず、
爬虫類全般で気を付けなければならない病気です。
爬虫類の血液中はカルシウム濃度が一定に保たれています。
カルシウムを吸収するのにビタミンD3が必要なのですが、
ビタミンD3が少なくなって血液中のカルシウム濃度が下がると、
骨に蓄えられているカルシウムを血液中に放出し、
血液中のカルシウム濃度を保っています。
そのため、飼育下においてはUVB(紫外線)ライトを照射することで、
太陽の代わりとさせています。
他にもビタミンD3が入ったカルシウムパウダーを
エサにまぶして口から摂取させて補います。
UVBライトはあくまでUVBしか放射しません。
太陽にはUVA、UVB、UVCといった波長の違う紫外線が含まれています。
時間があるときは日光浴をさせてあげましょう。
日光浴をさせる際には身を隠せる日陰を用意してあげて、
熱くなりすぎたときは体を冷やせる場所にします。
脱水症状が発症することもあるので、水分も与えてください。
2. 消化不良(吐き戻し)・下痢
消化不良や下痢の原因はいくつかあります。
- お腹が冷えている
- 接種水分量が多い
- エサが大きすぎる
- 環境変化などにおけるストレス
消化不良の一番の原因はお腹が温まりきらず、
代謝が下がった状態になり、
食べたものが消化されずに出てきてしまうことです。
エサが大きすぎても消化されずに出てきますし、
冷たいものを食べてもお腹を冷やしてしまい、
消化不良や下痢を起こします。
☆対策
その子に合ったサイズのエサを与え、
冷蔵庫で保管している野菜等を与える場合は、
常温まで戻すか、レンジで温めてから与えます。
お迎えしたばかりの子はストレスがかかっていますし、
疲れもたまっています。
日光浴や温浴をさせると解消するかもしれません。
バスキングライトを使ったバスキングスポットや
パネルヒーターでお腹を温める場所を確保するのも
効果的です。
100円均一のダイソーで手に入る「Slate PLATE」が、
石製のプレートで保温性が高いので、
我が家ではこのプレートをバスキングライトの下に置いています。
☆対策2
温度やエサが原因でなさそうならば、
腸の調子を整えてくれる「レプラーゼ」も良いとされています。
詳細はこちらにまとめてあります。
3. 脱水症状
脱水症状の原因はもちろん水分不足です。
口の中がかわいている、
ベロが白みがかっている、
便秘などが脱水のサインです。
フトアゴヒゲトカゲは水受けに水を入れていても
水を飲まない子がいます。
その理由が、
- 止まっているものに対して認識しにくい
- たまっている水の飲み方がわからない
このうえ、生き餌や生野菜を与えず、
ドライフードのみで飼育している場合は
特に水分を摂取する機会がなくなってしまいます。
また、脱水気味だと便秘になりやすくなります。
うんちの頻度や硬さを確認し、
脱水症状になっていないかよく見てあげましょう。
ベビーは特に脱水症状になりやすいので、
以下の対策でしっかり防いでください。
☆対策
〇直接水を与える
一日一回、スポイトなどで口元に水を垂らしてあげてください。
のどが渇いていればぺろぺろ舐めます。
〇食べ物から摂取させる
小松菜やホウレンソウなどの生野菜をケージの中に常設し、
食べさせる。
〇皮膚から吸収させる
温浴で35℃~40℃のお湯に10分つからせます。
直接水も飲めますし、便秘にもよく効きます。
温浴後は湯冷めしないようにしっかり体をふいてください。
4. 熱中症
熱中症は夏場の日光浴や、
ケージ内に温度差がなく、暑すぎることが原因です。
トカゲはよく日向ぼっこをして、
厚さに強い印象ですが、
暑いのが続くと人間と同じで熱中症になってしまいます。
☆対策
日光浴をさせる際は、日陰を用意してあげると
自分で体温を調整できるので有効的です。
また、長くても1時間で室内に入れてあげましょう。
日光浴後はスポイトなどで水分を与えてください。
基本的には日光浴中は目を離さないのが理想です。
室内で日光浴をさせているかたは、
今の家のガラスは優秀で、UVカットされていたりするので、
日光浴の効果が減ってしまいます。
直射日光が日光浴の効果としてはベストです。
5. 脱皮不全
脱皮不全とは、脱皮した皮がうまくはがれずに体表に残ってしまい、
脱皮が不完全な状態を表します。
この状態が背中などで続くと皮膚が黒く変色したり
ケガや病気を引き起こす可能性が高くなります。
また、指の先やシッポの先で脱皮不全が起こると、
先端が壊死してしまい、指飛びが発生します。
脱皮が始まるとフトアゴヒゲトカゲが緊張状態になり、
エサを食べなくなることもあります。
脱皮が理由で食べないのであれば、
脱皮後には食べれるようになります。
☆対策
脱皮が始まったらケージ内の湿度をいつもより高めに保ちます。
霧吹きなどで直接皮膚を湿らせても効果的です。
指先やシッポの先は皮が残りやすいので、
温浴をさせて皮をふやかしてあげると取りやすいです。
6. 腸閉塞
腸閉塞は、異物を摂取するなどで腸内に炎症が起こり、
腸が腫れて狭くなり、老廃物が詰まってしまう状態です。
現れる症状としては、拒食、嘔吐、便秘や下痢が発生します。
原因としては、床材などの異物を飲み込んで腸を傷つけてしまう。
もしくは、飲み込んだ異物そのものがつまりの原因となってしまう。
腸内に腫瘍ができた、もしくは炎症が起こっている。
上記の事象などが挙げられます。
☆対策
エサで与えるコオロギの後ろ足が刺さってしまったり、
ジャイアントミルワームが腸内を噛んでしまったりすることが原因で、
炎症が起こることがあります。
コオロギは後ろ足を取って与える、
ミルワームは頭をつぶしてから与えると、
こういった事象は防げます。
異物の誤飲による腸閉塞はベビーの時期が多いです。
ある程度大きくなってしまえば糞として出るのですが、
ベビーのころは床材を犬用のペットシーツを使ってあげましょう。
我が家では砂場をプラスチックケースで分けて配置しています。
エサ置き場と砂場を話して配置することにより、
誤飲を防いでいます。
こちらのほうがメンテナンスも楽ですし、
ケージ内を清潔に保てます。
7. ヤケド・ケガ
ケージ内の環境が原因で発症することが多く、
バスキングライトでヤケドをしてしまったり、
シェルターなどに足を挟んで骨折してしまったりします。
☆対策
バスキングライトはケージ内に設置する場合は、
できるだけ高い位置に設置します。
ケージの外に設置する場合でも、
近くに近寄れないようにレイアウトします。
コルクなどの設備はフトアゴヒゲトカゲのったりしても
動かないように設置します。
部屋んぽをさせる場合も、
できるだけ平面での散歩をお勧めします。
8. 拒食症
拒食症になる原因は様々で、
ウイルス、環境面、脱皮による緊張などが主な原因です。
ウイルスに関しては、10番目に紹介する、
クリプトスポリジウムなどの感染症があります。
エサを全く食べなくなり、やせ細ってしまい、
最悪の場合、死に至ります。
環境の場合、その子に合っていない要因を見つけなければなりません。
温度、湿度、エサの種類、紫外線 etc…
温度は低すぎても高すぎてもストレスを与えてしまうため、
ケージ内部にクーリングスポット(25℃程)と
ホットスポット(35℃~40℃)を用意してあげて、
フトアゴヒゲトカゲが自分で体温調整をできるようにしましょう。
湿度が原因の場合は、湿度の低すぎ、高すぎかもしれません。
普段低めなら高めに、高めなら低めに設定すると、
解消するかもしれません。
エサの種類は一匹一匹好みが違うので、
色々試してみる必要があります。
我が家の彩葉は乾燥コオロギは食べますが、
冷凍コオロギは食べません。
彩は乾燥コオロギ、冷凍コオロギを食べず、
活餌とフトアゴフードを食べます。
我が家の2匹でもここまで違うので、
それぞれ全然違うと思います。
ちなみに、我が家のチョコはイエコオロギを食べますが、
フタホシコオロギは食べませんww
紫外線に関しては、不足していると肌の色合いが落ちます。
そこから体調を崩し、拒食になるので、
肌が暗くなっているようであれば、
紫外線量の見直しが必要です。
☆対策
拒食に関しては原因がウイルスと脱皮でなければ、
環境があっていないことが主な原因と考えられます。
よく観察し、その子にあった環境に整えましょう。
9. 肥満
肥満の一番の原因は、エサのあげすぎ、
野菜中心ではなく、昆虫中心でエサをあげていることが
主な原因です。
フトアゴヒゲトカゲは本来、成長するにつれて、
昆虫中心の食事から野菜中心の食事にシフトします。
エサの頻度や量が多かったり、
与えるエサの内容により肥満を引き起こします。
また、昆虫ばかり食べていると肥満だけでなく、
通風を引き起こしてしまいます。
人間と一緒で肉ばかりの食事では体を壊してしまいます。
肥満の目安としては、
太ももが力を入れても筋肉の隆起が見えない、
歩くときにおなかを地面にすっている、
わきの下が膨らむ
この3点を目安にするといいと思います。
☆対策
エサを与える頻度や量は、
成長度合いによって異なります。
以下を参考にしてみてください。
すべての段階において、腹八分目が目安になります。
月に一回おなか一杯食べさせて、その量の8割を与えてください。
<例>
ベビー
5匹(MAX) × 0.8 = 4匹(腹八分目)
上記のようにして、腹八分目に調整します。
10. クリプトスポリジウム
クリプトスポリジウムの菌自体は、
家庭で飼われているトカゲで約66%のトカゲが、
所有しているという調査結果が出ていて、
多くの個体が発症していない状態で、
所有しています。
クリプトスポリジウムの発症条件は、
免疫力の低下によるもので、
飼育下の温度が低下すると免疫機能が低下し、
クリプトスポリジウムを発症してしまいます。
爬虫類が発症した際の症状としては、
・食欲があるにもかかわらず体重が減る
・拒食になる
・突然死
等があります。
クリプトスポリジウムは消化器官をもつ生物に感染するため、
人間にも感染します。
人間に感染した場合は、
痙攣、下痢、筋力低下、拒食、吐き戻しを発症し、
人間でも死亡例がある感染症です。
爬虫類に発症すると致死率が高く、
死骸からも感染するので、
死亡した際は必ず火葬する必要があります。
☆対策
一番の対策は、爬虫類の免疫を下げない。
そのためには、温度が低くなりすぎないように注意し、
バランスのいい食事を与えることです。
多頭飼いをしている方は、食事を与えるときに、
同じピンセットを使いまわしてエサをあげないこと。
不要に生物同士を接触させないこと
等があげられます。
クリプトスポリジウムを殺菌するためには、
71.1℃以上で15秒間の熱を与えるて死滅させます。
塩素消毒では死滅しないので、
熱消毒で殺菌を行います。
まとめ
ここまででフトアゴヒゲトカゲにおきやすい病気を
まとめてきました。
主な原因として、
その子に合った飼育環境でないことによって、
病気になってしまうことが多いです。
観察して、様子を見ることが何よりも大切です。
成長を楽しみながら、
清潔でのびのびと生活できる環境を整えてあげましょう。
よきフトアゴライフを✨
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